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選択的シングルマザーになるまで②|社会的卵子凍結を決意

そういえば、友達が第一子妊娠中に「AMH(抗ミュラー管ホルモン、通称卵巣年齢)だけでも調べておいた方がいいよ」と言っていた。

3年後、その言葉を思い出した。この時の後悔を私は今も忘れられない。

まだ不妊治療は保険適用外の時代。社会的卵子凍結、という言葉も、今のように知られていない時代だった。

コロナ禍、2021年のこと。

『〇〇県 卵子凍結』というキーワードで調べるも、とにかく田舎には選択肢がなかった。

既婚者であったり、抗がん剤治療をしている方でないと、受け入れてもらえない病院ばかりだった。

未婚では治療ができない現実を突きつけられた。

東京に住んでいれば、なんでもできるのに…と思うことだらけだった。

また、当時は助成金や補助金も未婚女性には何もなかった。

「男女」「夫婦」、二人いないと対象外。クリニックの予約ですらそうなのだから、お金なんてもらえるわけがなかった。

検索していく中で、未婚女性の卵子凍結のことを『社会的卵子凍結』ということも初めて知った。

検索キーワードを『〇〇県 社会的卵子凍結』に変えて検索すると、県内に1件だけ、受け入れてくれるクリニックを見つけた。


ちなみに、2026年の今、同じキーワードで検索すると、社会的卵子凍結ができるクリニックがかなり増えていた。

おそらく当時より、社会的卵子凍結という言葉が有名になり、希望する女性が多くなったのであろう。

実際メディアでこの言葉はよく聞くようになった。都知事、アスリート、芸能人。助成金もかなり増えた。


早速予約をして、初診。培養士さんから卵子凍結の流れであったり、社会的卵子凍結を希望する理由、パートナーの有無を聞かれた。

そこで初めて、不妊治療の過酷さを知った。

筋肉注射をするために毎日の通院が必要、卵胞が育っているか確認するための検査もある、採卵日は指定できない、など、今となっては当たり前のことだが、何も知らない私は衝撃しかなかった。

また、2021年当時、私が説明を受けたクリニックでは、卵子凍結をしても、未受精卵を解凍して、生き残る確率は25%であること、解凍後の体外受精、その時の精子提供者は配偶者か内縁関係にあるもののみ、とのこと。

自宅からクリニックまでは片道1時間。コロナ禍の通院や勤務時間を考えると、どう頑張っても無理なのではないかと一瞬、気が遠くなった。それでも、諦めるという選択肢はなかった。

採卵に向けて、診察、血液検査を受けた。感染症、AMH、ホルモン値などを調べた。結果を聞けるのは、数週間後、とのこと。

その結果が出る前に、体外受精の説明会に参加した。夫婦での参加者ばかりの中、おそらく社会的卵子凍結を希望しているのは私だけだった。

説明会で、先生が

「30代前半まではあまり差がないですが…」

「35歳から確率が…」

というたび、34歳の私は怯えていた。

最後の質問タイムで、どこかのご主人が何かを質問した。昔のことで記憶がないが、その回答だけは覚えている。

「女性の年齢次第です。子宮は歳をとりませんが、卵子は歳をとるので、何歳で卵子を採取するかによります」

季節はすでに秋だったが、それを聞いて、私は年内には必ず採卵をしようと決意したのだった。

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